毎日の食事で酪酸菌などの善玉菌を増やす! おすすめ腸活レシピ3選

腸内環境を整えることで、便秘解消をはじめ健康や美容面でさまざまなメリットが期待できる「腸活」。成功のカギは、腸内フローラの腸内細菌のうち、善玉菌を増やすこと。なかでも近年注目を集めている「酪酸菌」を増やすことで、たくさんの健康効果が期待できます。また、大腸のバリア機能を改善し、感染症などへの免疫力を高めることにもつながると言われています。そのためには善玉菌を含む食材や、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などを含む食材を摂ることが大切です。

この記事ではこれらの食材を使った、酪酸菌などの善玉菌を増やせる簡単なレシピをご紹介します。

監修ドクター
内藤 裕二 先生(一般社団法人 日本ガットフレイル会議 理事長/日本潰瘍学会 理事長/日本酸化ストレス学会 理事長/京都府立医科大学大学院 医学研究科生体免疫栄養学講座 教授)

レシピ考案者
門司 紀子 さん(美容エディター)

押さえておきたい腸活レシピのポイント

食事から腸内環境を整えるには、善玉菌そのものと、善玉菌のエサとなる食材を両方摂取する「シンバイオティクス」がポイントです。
善玉菌を含む食材には、ヨーグルトや味噌、キムチといった発酵食品や発酵調味料があります。しかし、話題の酪酸菌を含む食材は少なく、ぬか漬けと臭豆腐くらいです。
善玉菌のエサになる物質には、「水溶性食物繊維」や「オリゴ糖」が挙げられます。これらを一緒にたっぷりと摂ることで、酪酸菌などの善玉菌を増やすことができます。また、便のかさを増してくれる「不溶性食物繊維」も、併せて摂れると理想です。

美のプロが提案!おなかにも美容にも嬉しい、
簡単腸活レシピ

ぬか漬けと大根、わかめのサラダ

切って和えるだけのスピードレシピ!ごま油の香りと一味唐辛子のピリ辛をアクセントにして、ぬか漬けや大根といった腸活食材を食べやすく、かつしっかり摂ることができます。

・内藤先生コメント

ぬか漬けは酪酸菌が含まれる数少ない食品の一つです。加熱せず食べることで、酪酸菌を生きた状態で腸に届けることができるでしょう。水溶性食物繊維が含まれている大根や発酵調味料のしょうゆも同時に摂れるので、理にかなっていますね。

・材料(2名分)

ぬか漬け(きゅうり、にんじんなど)約100g
大根長さ4cm程度(約100g)
乾燥わかめ大さじ1
ごま油大さじ1
しょうゆ小さじ1
小さじ1
きび砂糖ひとつまみ
いりごま大さじ1/2
一味唐辛子適宜

・作り方

1.乾燥わかめを水(分量外)で戻し、食べやすい大きさに切る。

2.大根の皮をむき、線維に沿って粗めの千切りに。

3.ぬか漬けはひと口大に切る。

4.ボウルに1~3の具材を入れ、ごま油、しょうゆ、酢、きび砂糖、いりごまを加えざっくりと混ぜ、味を調える。

5.器に盛り、適宜一味唐辛子をトッピング。

【ワンポイント】

じゃこ(大さじ1)を加えると、より旨味がアップします。

水切りヨーグルトとオートミールの簡単デザート

ヨーグルトは水切りすると濃厚になり、まるでチーズのような食感に!フルーツやハチミツなどで甘みを足すことで、レアチーズケーキのように楽しむことができます。

・内藤先生コメント

ヨーグルトは善玉菌が含まれる食材の代表格。また、オートミールとりんご、キウイフルーツは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方含まれるので、腸活に役立ちます。中でもキウイフルーツは腸内の酪酸を増やすという報告もあるので、おすすめです。

・材料(2名分)

ヨーグルト(無糖)200g
オートミール20g(大さじ2程度)
50ml
キウイフルーツ1/4個~
りんご1/6個~
ハチミツ or メープルシロップ適宜

・作り方

1.ざるにキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトをのせ、4時間ほどおいて水を切る。

2.オートミールを小鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて火にかけ、好みの硬さになるまで加熱する。火からおろし、粗熱をとっておく。(耐熱容器に入れて電子レンジで加熱してもOK)

3.キウイフルーツとリンゴはそれぞれ食べやすい大きさに切る。

4.1を器に盛り、2と3を添える。お好みでハチミツまたはメープルシロップをトッピングする。

もち麦入り味噌風味キムチチゲ

寒い時期に食べたくなるキムチチゲ。野菜と発酵食品をたっぷり摂ることができます。さらにもち麦を加えることでもちもちとした食感がアクセントになり、おいしさがアップ!

・内藤先生コメント

もち麦やきのこも水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方含まれる、腸活にはうってつけの食材です。善玉菌を含む発酵調味料の味噌やしょうゆも取り入れられているので、「シンバイオティクス」を実践できていますね。

・材料(2名分)

もち麦大さじ2
ごま油大さじ1
豚こまぎれ肉100g
600ml
鶏がらスープの素小さじ2
キムチ100g
絹ごし豆腐150g
きのこ(しめじやえのきなど、お好みで)50g
味噌大さじ2
しょうゆ小さじ1/2
コチュジャン適宜

・作り方

1.鍋にたっぷりの水(分量外)を入れて沸騰させ、もち麦を入れる。ふつふつする程度になったら火を弱め、時々かき混ぜながら15~20分、好みの硬さになるまでゆで、ざるにあげ、ぬめりを軽く洗い流し水気をきっておく。

2.豆腐は皿に置き、さらに上から皿などで重しをして10分ほどおき、水をきっておく。好みのきのこは石づきや軸をカットしておく。

3.鍋でごま油を熱し、豚こまぎれ肉を炒める。肉の色が変わったらスープ用の水と鶏がらスープの素を入れ、沸騰したら火を弱めてキムチ、好みのきのこ、豆腐、1のもち麦を加え、3~4分ゆでる。

4.2に味噌としょうゆを足し、味を調える。

腸活は継続が大切!日々の食事に腸活レシピを取り入れよう

腸内フローラの酪酸菌などの善玉菌を増やし、大腸のバリア機能を強化するには、日々の食事で善玉菌が好むエサや善玉菌そのものを摂ることが必要です。毎日は大変と思われがちですが、ちょっとした工夫で無理なく続けることができます。まずは、今回ご紹介した腸活レシピを一度作ってみることから始めてみてはいかがでしょうか?

この記事を監修してくれたのは…内藤 裕二 先生

内藤 裕二先生

一般社団法人 日本ガットフレイル会議 理事長/日本潰瘍学会 理事長/日本酸化ストレス学会 理事長/京都府立医科大学大学院 医学研究科生体免疫栄養学講座 教授

消化器専門医として最新医学に精通し各地で講演も行っている。消化器病学や消化器内視鏡学、生活習慣病の他、健康長寿や抗加齢医学、腸内フローラや酪酸菌研究も専門としており、「京丹後長寿コホート研究」で腸内フローラ解析に携わっている。酪酸菌と健康長寿の関係などの研究をはじめ、長年腸内細菌を研究し続けている本領域の第一人者。
『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢 基本知識から疾患研究、治療まで』(羊土社)を上梓。

腸活レシピを教えてくれたのは…門司 紀子 さん

門司 紀子さん

大学在学中に女性ファッション誌の編集アシスタントを経て独立後、約20年にわたりフリーランスエディター&ライターとして活動。担当する記事はビューティ関連をメインに、食、料理、旅、ファッション、ゴルフまで多岐にわたる。また、ヘルシーなケータリングサービス“mon deli”も手掛ける。キレイを意識したメニューは撮影現場でモデルやエディターからも好評。

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