第2弾:中村 アン さん × 内藤 裕二 先生
前回の第1弾 腸活を始める前に知っておきたい「腸活の三本柱」についてに続き、腸活について女優の中村アンさんと腸内細菌の研究における第一人者である内藤裕二先生にお話を聞きました。今回は、腸活の三本柱のひとつ「食事」にフォーカス。腸にとってどのような食材を選ぶべきか、また、効率良く食物繊維を摂取するコツについてうかがいました。
対談者
内藤 裕二 先生
一般社団法人 日本ガットフレイル会議 理事長/日本潰瘍学会 理事長/日本酸化ストレス学会 理事長/京都府立医科大学大学院 医学研究科生体免疫栄養学講座 教授
中村 アン さん
女優
中村さん
「食事」「睡眠」「運動」という腸活の三本柱が大原則であること、よくわかりました。その他に何か、腸のために気を付けた方が良いことはありますか?
内藤先生
腸に何が悪いかを考えると、塩分と砂糖の摂り過ぎには気を付けたいですね。
中村さん
私も砂糖はあまり摂取しないようにしています。砂糖を摂る・摂らないで老け方も全然違うと聞きました。
内藤先生
砂糖の代わりに、オリゴ糖やはちみつで代用するのも良いと思います。あと、腸にとっては動物性の脂肪やたんぱく質もあまり良くないです。
中村さん
やはり植物性たんぱく質の方が腸内環境には良いのでしょうか?
内藤先生
はい、植物由来の方が良いです。私自身も揚げ物などをする際、「米油」など植物性の油を使うようにしています。できるだけ、動物性から植物性に移行するよう意識してみてください。
内藤先生
腸活をしている人でも不足しがちになるのが、食物繊維です。効率的に食物繊維を摂るには、どんな主食を選ぶかがポイント。白いご飯だけでは絶対的に食物繊維が足りていないので、玄米や古代米、もち麦、大麦などを混ぜてちょっとカラフルなご飯にしてみましょう。
また、パンを主食とするなら、白い食パンよりも全粒穀類など茶色っぽいパンがおすすめです。
中村さん
私は両親が佐渡島(新潟県)の人だった影響もあってか、小さい頃からお米が大好きでした。これからは白いご飯だけでなく、ちょっとカラフルなご飯も意識して取り入れてみたいと思います。
内藤先生
いいですね。あと、最近おにぎりに関する面白い研究結果が出ていました。同じ白いご飯でも、おにぎりにすると、でんぷんの一部が食物繊維の1種である「レジスタントスターチ」に変換されることがわかったんです。つまり、同じ量の白いご飯を食べるならば、一度冷めたおにぎりの方が腸活に良い可能性があるということです。
最近はコンビニでも、もち麦などが入っている腸活向きのおにぎりが置いてあるので、カラフルなご飯という点も踏まえて選んでみてはいかがでしょうか。
中村さん
なるほど。コンビニなどで腸に良い食べ物が手軽に手に入るようになってきたのは嬉しいですね。
内藤先生
食物繊維は毎日の生活の中でどうやって摂っていくかがカギになります。単純にファイバー飲料だけを飲めば良いというわけではなく、いろいろな種類の食物繊維を摂るということが重要です。
先ほど説明した主食はもちろんですが、おかずやデザートにもどれくらい食物繊維が含まれているか意識してみてください。例えば、緑色のキウイには、食物繊維が3グラム程度含まれています。ところが同じキウイでも黄色いものだと、果糖が多くて食物繊維は少ないです。
中村さん
キウイは緑が良いんですね。一日20グラムの食物繊維を摂取することを目標とすると、緑のキウイを5個くらい食べれば…。
内藤先生
たしかにそう考えますよね。けれども、緑色のキウイを食べるだけではダメなんです。いろいろな種類の食物繊維を摂らなければいけません。なので、前に挙げたニンジンやゴボウなどの根菜類が入ったお粥や、味噌や発酵食品なども併せて摂ってみましょう。塩分控えめの具沢山のお味噌汁はおすすめです。
中村さん
お味噌汁はかつお節とかで頑張って作ったりしますけど、やっぱり面倒なので、誰かに作ってほしいと思ってしまいますね(笑)。でも、作るときには減塩味噌で具沢山のものを作りたいと思います!
健康な腸のために気を付けたいポイントは、以下の2点です。
また食物繊維は、腸活を意識している人でも不足しがちです。今回話に挙がった以下のような食べ物は、積極的に取り入れてみましょう。
腸活について正しい知識を身につけ、健康な毎日を過ごしましょう。
<参考資料>
・Hypertension. 2020;76:73–79